学生舎

【シバき】防衛大で怒られること一覧 ➁

※前回の記事をご覧になっていない方はこちらから

防衛大で怒られること一覧 ①

決まりごと系

入室要領

防衛大学校には他人の部屋に入る方法が厳格に示されています。

 

間違った動作、文言では要件がある人のもとへたどり着くことすらできません。(防衛大独自のルールというわけではなく、自衛隊全体でのルールを防衛大でも取り入れているといったほうが正しい)

入室要領(例)
①入ります!(右手でドアノブを回しながら左足を部屋内に踏み入れる)(そのままドアのほうを向き、音を立てないように右手でドアを閉め、気を付けの姿勢をとる)(回れ右をして、部屋の中で一番偉い人=最先任者を探す。)(最先任者の方に方向変換をして、頭を10度下げる敬礼をする)

②221小隊鈴木学生は!山本さんに要件があり、参りました!
(返事をもらったら自分の靴をドアから最も遠い所に置き、室内のすべての靴をそろえる。)

③「呼び出しに応じ、参りました!
」(要件がある人に10度の敬礼を行い、返事をもらったらこのように絶叫する。)

このとおり覚えることが多く、間違える1年生はとても多い。

 

これができないと、「挨拶の件で呼び出されたのに、入室要領の呼び出しも増えちゃったよ…」ということになりかねないので注意しましょう。ちなみに「退出要領」も存在しますが、ここでは割愛します。

 

役職

学生の中には、「長期勤務学生」(=長勤)という役職持ちの学生がいます。高校や中学でいうと生徒会のような存在といったらイメージしやすいでしょうか。

 

小隊のまとめ役は4年生の「小隊学生長」、中隊学生長の補佐は3年生の「中隊学生長付(-づき)」など、学年や組織ごとに役職が設けられています。

PowerPointで、結構頑張って作った奴。1年くらい中にいれば普通に線だけで判断できますが、入校当初の1年生には無理でしょう…。

 

この役職についている学生のもとに呼び出しに行くときは、「○○さん」ではなく「中隊学生長」のように風に呼ぶ必要があります。誰が何の役職についているかを意識していないと普通に間違えてしまうので注意しましょう。

 

このミスに対する指導内容としては、役職暗記テストなどを課されるのが一般的です。余計な時間を奪われたくないなら、呼び出しに行く前に役職を確認しておくことが重要になってくきます。

 

報告書

防衛大学校では、決まった時間に学生が全員がそろっているか確認する点呼や課業整列といったものがあります。(朝昼夜)

 

この集合に何らかの理由で参加できないときは、必ず「報告書」というものを提出しなくてはいけません。この書式もしっかりと定められているため、間違った書き方をしてしまうと当然呼び出されます。

 

そんな文化もあったものですが、2019年はついに「電子報告書」というものが登場し、ついに紙の報告書がなくなってしまいました。これからは、紙の向きをさかさまにしたり、半角スペースを空けなかったり、インクがすれてたり、診断区分を間違えたり、1係に提出し忘れたりしてシバかれることがなくなったわけか……。

 

シバかれる種が減ったことを、1年生は喜ぶべきだと思います。

 

モノの管理系

官品紛失

防衛大学校では制服や帽子、カバン、銃など、訓練や日常で使用されるものは無料で貸与されています(=官品-かんぴん)。

 

これらの物品は国民の血税によって賄われているものです。ですから破損させたり紛失したりはもってのほかです。(軍隊として、持ち物をどこで紛失したかわからないと、自分たちの痕跡を残すことになるから失くしてはいけないといった見方もできる。

 

ちなみに官品を失くしてしまうと上級生のみならず指導官からも厳しい指導を受けます。「亡失経過報告書」という正式な書類と反省文対策文への記入も必須になってくるので、官品はしっかりと管理したほうが身のためですよ。

 

※余談ですが、親が自衛官の防大生のことも「官品」と呼びます。税金で育ったから、という意味なのでしょうか。

 

テンキー開放

防衛大学校に入校すると、貴重品を管理する鍵付きの小型ロッカーが貸与されます。

テンキー。防大生のプライバシー・基本的人権の大きさそのものを表している。

 

これに0~9までの10のキーがついていて、暗証番号を設定できることから「テンキー」と呼ばれいます。(要出典)

 

貴重品を管理できる空間は防大においてテンキー以外存在しないから、これを開けっ放しにして部屋を出てしまうことは自分の貴重品を管理できませんと宣言しているようなものなのです。

 

防衛大学校には「警務隊」と呼ばれる警察組織が駐在しており、学生舎内で貴重品の紛失が起きると警務隊は周辺人物の厳しい取り調べを始めます。テンキー開放があるとそういった面倒ごとが発生するリスクが高まるため、テンキーを開放した1年生は上級生から厳しく呼び出しを受けることになります。

 

余談ですが、開放されていたテンキーの中の貴重品をいろいろな部屋に分配し、テンキーを開放してしまった1年生が入室要領をして取り返しに行く、「ドラゴンボール」と呼ばれる処分方法が存在していた時代もあります。1年生はこれによって貴重品の大切さを身に染みて覚えていました。

 

(貴重品を取り上げるのはパワハラでないか、といった観点から廃止。)

 

貴重品放置

ここでいう貴重品とは

財布
身分証
スマートフォン
腕時計
イヤホン
印鑑
メモ帳

などを指します。

 

これは中隊によって基準が異なるため、よく確認しなければいけません。(イヤホンは貴重品としない、USBメモリは貴重品に含む、など)

 

「放置」というと一般的にはその辺の床に投げっぱなしにしてしまった状況などを想像するのでしょうが、防大での放置は少し違います。「テンキーに収納していない状況」=「放置」なのです。

 

例えば、財布は普段使わないから制服のポケットの中に入れておこうとかも放置だし、腕時計はよくつけ外しするから机の棚に入れておこう。とかも放置となってしまいます。

 

1年生には基本的に人権やプライバシーは存在しないので、机やロッカーの中身は常に上級生に物色されるものと思ったほうがいいです。自分の貴重品を守る場所はテンキー以外に存在しません。

 

こうやって1日に何度もテンキーを開け閉めするから、あるふとした瞬間に鍵を閉め忘れて「テンキー開放」が起こってしまうのです。

 

しかも上級生は、テンキーのカギが閉まっているかも執拗に確認しに来るので、開放はすぐに発覚してしまいます。放置した物品は音もなく狩られ、1年生は数度の入室要領を繰り返して取り返しに行く羽目になります。この際、「なぜ放置してしまったか」「今後2度と放置しないための対策」「同期が同じ間違いをしない方法」などを考えておかないと呼び出しは永久に終わりません。

 

貴重品放置を繰り返すと何を言っても嘘つき呼ばわりされるので、できるだけ放置しないように心がけるのが吉です。

 

毎日やること

清掃

清掃は朝と夕方に1回ずつ行います。1年生はいろいろな清掃場所をくるくる回され、どこに行っても決まり通りの完璧な清掃を求められます。

 

もしできなかったときは、前にそこを担当していた同期とセットで呼び出されることが多い。この時、同期を売る(悪く言ってしまう)ようなことをすると、更に追及が厳しくなるので注意してほしい。

 

どんなに自分が悪くなくても、人のせいにしてはいけないのが防衛大学校の不文律である。

 

ベッド取り

ベッドは夜の点呼(1930)までに取らなくてはいけない決まりがあります。

 

これも、プレスと同様正確に、丁寧に取らなくてはいけません。汚い取り方をしていると、清掃中に飛ばされてしまうので、汗まみれのままベッドを急いで直す羽目になってしまいます。

 

何度も同じ箇所を指摘されるようなら、改めて呼び出し指導を受けることにもつながる可能性は十分にあります。

 

とても綺麗に取られたベッド。これくらいやれば飛ばされることもないでしょう。

 

まだまだたくさんある

防大に入学するなら、シバかれることは避けられません。特に問題が無いようなことでも、上級生が気に食わなかったらそれだけで指導対象になってしまうこともあります。

 

1年生の間は納得いかないことも多くあるだろうけど、すぐに人に頼らず、自分で解決できるように頑張ってみてほしい。

 

自分がつらいとすぐに親に相談したり、上位機関に訴え出ようとする下級生、同期を見ていてそう思いました。不当な暴力に耐える必要はまったくありませんが、小さなことですぐに逃げ出してしまうのは「自衛隊員」としてどうなのでしょうか。最近は「パワハラだ!」という一言で防大がただの大学になろうとしている感が否めません。

 

任官拒否した元学生の意見でした。

 

おわり

POSTED COMMENT

  1. びゃだいん より:

    凄い詳しいです!過去最高の防大ブログですね!w

    • 防大くん より:

      ありがとうございます。網羅的に書いているブログがあまりなかったため、先駆者になってみました。

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