訓練

倍率1位の航空! 戦闘機パイロットの体験は1回300万円?

こんにちは。この記事ではまるで「私が航空要員だったかのように」語っていますが、そうとは限りません。実は陸、海も共に記事を用意中です。これは、1番人気っぽい航空の記事を最初にupして反応を見ようという魂胆なのです。それっぽく語るためにどの要員にも入念な聞き込み調査を行いました。私自身の要員、学科はあくまで非公開なので、この記事を見て「防大くんは航空要員だ!」と早とちりしないようにお願いします。本当に航空かもわかりませんが。ふふ…。

防衛大学校のなかで最も人気のある要員は何を隠そう「航空要員」です。例年2倍以上の倍率を叩き出しています。

やはり、パイロットにあこがれを抱いて入校する1年生が多く(特に戦闘機)、半数以上が航空要員を希望している中隊もあります。中には「航空要員になれなかったら学校をやめる!」と豪語する学生も。(実際に辞める人はなかなかいませんが。)

実際に航空要員になれるのは全体の1/4のみ。基本的に運ゲーなので、希望調査票の第1希望を航空にしたらあとは天に身を任せましょう。

>>「陸・海・空」衝撃の決定方法

ここでは、運よく航空要員になれたあとはどんな訓練が待っているのか紹介します。

航空関係ある…?の連続。

防衛大学校には滑走路がありません!エンジンのついた飛行機もありません!したがって航空っぽい訓練はほぼありません。

え………?

「俺は戦闘機に乗りたくて航空になったのに…。」「陸上要員は迷彩服もらってるのに…。」「海上要員は港も船もあるのに…。」


防衛大学校走水海上訓練場(ポンド)

結論から言うと、航空要員に航空っぽい訓練を期待してはいけません。しかし文句を言ってはいけない。なりたくてなったのだから。

暗記の嵐〈2年生〉

グライダー訓練

カッター期間の最中に始まる1週間の春季定期訓練。とにかく座学。

陸上要員が走っていても座学。
海上要員が港で訓練してても座学。

この時期にやることは、夏季定期訓練(8月の丸1か月)の「グライダー運用訓練」のための知識の準備。

グライダーとは、エンジンがついていない飛行機のこと。滑空機ともいう。グライダーの頭に長くて丈夫なヒモを取り付け、それを高速で巻き取る。するとグライダーは紙飛行機のように空に飛んでいくので、途中でヒモを切り離す。その後は風に乗って2分ほど飛行し、元の位置に返ってくるという訓練。

後部座席に現役のパイロット(指導官)が乗ってほとんど操縦してくれるので、乗ること自体はそんなに心配いらない。しかし、とにかく覚えることが多すぎる。

機体の組み立て方、搭乗手順、発航制限(雲の高さ、風向き、視程など)、安全点検の仕方……などなど挙げるとキリがない。

中でも2年の春で面倒なのがプリタクシーチェックの暗唱。

グライダーに乗る前に必ず唱えなくてはならない呪文なのだが、全然慣れていない新2年生にとっては大きな負担になるだろう。カッター期間で精神が限界まで疲れてる中での暗記を強いられるから…。

ところで防大、呪文多くね…?

>>呪文の数々

夏季定期訓練では、春から練習してきたグライダーの乗り方を発揮するチャンス!

この訓練が3泊4日で本当に疲れる。寝床が旧グライダー格納庫の床のため、身体が痛い。「建物は4面壁に囲まれているものだ」という今まで培ってきたちっぽけな常識が一瞬にして破壊されるので注意。(なぜか訓練中シャッターを開けたまま寝ることになる)


富士川滑空場

しかし、いろいろな苦労の末に初めて空に旅立つ瞬間はうれしいものだった。

グライダー以外

空自基本教練

1年生の時に習った基本教練(右へならえ、前へ進め)などは全部陸自式だ!航空のやり方を教えてやる!

……ということで、微妙な違いをひとつづつ確認していく授業がある。しかし1年間で染みついた動作はなかなか忘れられず、たまに陸自式で号令をかけて怒られることも……詳しくはこの時にちゃんと習ってください。

部隊研修

夏はグライダー以外に部隊研修がある。実際の自衛隊の基地に行く、いわば工場見学のようなもの。2年次は輸送航空隊研修ということで、入間(埼玉県)小牧(愛知県)美保(鳥取県)の3つから選択できる。(話し合いやじゃんけんなどで)

5日間の研修は、普段の訓練とは空気が違ってとても楽しい。実際の隊員に直接質問できるのもメリット。

また戦闘訓練?〈3年生〉

戦闘訓練

1年生の時に泣くほどやったはずなのに、なぜかまたやる羽目になる戦闘訓練。
要するに銃持って走り回ってほふく前進して泥まみれになって熱中症で倒れる(人もいる)訓練です。気合と根性がつくし、終わったあとにはいい思い出になります。(めっちゃキツいけど。)

部隊研修

3年の部隊研修では戦闘機部隊に行くことができます。

千歳(北海道)

三沢(青森県)

小松(石川県)

百里(茨城県)

新田原(宮崎県)

築城(福岡県)

那覇(沖縄県)

から選ぶことができる。
(那覇はあったりなかったり年によって変わる。)

3年次は3週間と非常に長い研修期間が設けられていて、実際に部隊の方の宿舎で同じように寝泊まりさせてもらうことができます。最初は緊張したり気まずかったりしますが、徐々に仲良くなれるので心配はいりません。

この研修での最大のイベントといえば「戦闘機体験搭乗」でしょう。どの機体に乗れるかは部隊次第ですが、全員1回は何らかの戦闘機に乗ることができます。

大体30分から1時間程度で、音速越えや7G(7倍の重力)なんかを体験する(させられる)ことになります。あまりの衝撃にパイロット志望をあきらめる人も……。戦闘機は1機あたり数百億円。それをは発航回数で割ると1300万ほどかかっているとか……。

基本教練

やることがないとすぐ基本教練をやります。
右向け右。左向け左。永遠に延々と繰り返し。

グライダー再び:〈4年生〉

グライダー訓練 (運用)

4年生のグライダー訓練は、グライダーに乗りません。実際の航空組織を模して、グライダーを目標回数飛ばすことを目指して組織運用をする訓練です。

実はこの時の搭乗員が2年生。グライダー訓練は、4年生が計画、運用して2年生が空を飛ぶ訓練なのです。

しかしまあこれが本当に熾烈を極める訓練。わからないことだらけなので、いくら計画に時間を費やしたかわかりません。3年生の後半からずっと準備を続けて迎えた4年の夏。

計画とは想定外のことばかりが起きて2年生の前でシバかれまくる4年生……。2度とやりたくない訓練です。ただ、実際の組織運営の難しさを知るにはこの上ない訓練だと思います。

基本教練

出ました。基本教練。航空要員は隙あらば基本教練。しかし4年生は一味違います。

春に入ってきた1年生に、基本教練を教える」という訓練にグレードアップします。(これを部隊教練といいます)

そのためには教科書を暗記して、正しい動作を身に着けて、人前で話す練習をして、時間配分も考えて、といろいろな計画をしなくてはいけません。

【不動の姿勢】

1.不動の姿勢は退院基本の姿勢で、端正にして、しかも気勢が充実し、いかなる号令にも直ちに応じられるものでなければならない。

2。号令で両かかとをつけて同一直線状にそろえ、つま先を約60度に開き、ひざは固くしないでまっすぐに伸ばし、体重をかかとの足の親指の付け根のふくらみに平均にかけ、上体を腰の上に落ち着け、胸を張り、両肩をやや後に引き一様に下げる。腕は垂直にたれ、手の甲を外にし、親指を人差し指と中指の上にして、四指の先が手のひらに触れるように軽く握り、手首を軽く身体に接する。頭と首をまっすぐに保ち、口を閉じ、両目は正しく開いて前方を直視して目を動かさない。

ただ「まっすぐ立つ」だけでこれだけのことを覚えなくてはならないので、どれくらい大変かお分かりいただけるでしょうか。

基地警備

「防護対象の車を破壊、奪取されない」ということを目標に、チームを組んで見張りをする訓練です。金属探知機で来訪者(仕込み)を検査したり、車を探索したりします。

まとめ

振り返ると思ったよりいろいろな訓練をしていましたね。基本教練しかしていないかと思ってました。

このほかにも細かい訓練は多々ありますので、実際に防衛大学校に入って、航空要員になって確かめてみてはいかがでしょうか。

おわり

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です